支持組織の再生

ここまで触れて来なかった大切なテーマについて触れておきたい。
フィクスチャーを埋め込む顎の骨などの組織のことを「支持組織」と呼ぶが、この支持組織の状態についてだ。
当然のことながら、歯を欠損した患者のかなりの割合は高齢者である。従って支持組織がかなり痩せて脆くなっているケースも往々にしてある。
フィクスチャーを埋め込むだけの物理的なスペースすら確保できなかったり、そこまでいかなくとも強度が不十分でフィクスチャーの埋め込みに耐え得ないケースもある。
ところが、そういった場合でもインプラント治療は絶対に不可能だというわけでもないのだ。 骨移植や骨組織再生を行うことにより、まず支持組織を強化し、しかる後にインプラント治療を行うという手法が既に臨床レベルで行われているのだ。移植や組織再生の詳細はテーマから逸脱するためここでは触れないが、この支持組織の再生医療にしても、チタンと骨の完全結合にしても、人工的な歯根を可能にする医療技術がつまるところは生体の自己回復能力に依存している点は大いに興味深いのではないか。